ZERO




どうか この手に手錠をかけて

逃げられないよう 逃げないように



この薄暗い暗闇から私が逃げないように

この空虚な世界から私が逃げないように





どうかこの痛みに麻酔をかけて

壊れないように 壊せないように



この狂った世界で壊れてしまわないように

この恐さで心を壊せないように





どうかこの脳に呪文をかけて

もう一度笑えるように もう一度笑えるように



こんな不自然な笑顔が消えるように

魔法の言葉...苦しみから逃げる術はないのだけれど









苦しみから逃れる術はないのよ...神様なんていないのだから









助かる術なんてないから、、、どうか麻酔をかけて



痛みを和らげる薬...傷を作ることは麻酔にならない

心の曇りを曇らせる薬...貴方の言葉もちっぽけに聞こえないように









苦しみから逃れる術はないのよ...苦しみから貴方は何かを得るのだから









逃げるな、と自分に言い聞かせ その手に手錠をかける

壊れそう、だから壊れないように麻酔をかけて

もう一度笑えるように 優しい呪文を待っている









苦しみから逃れる術はないのよ...貴方がそこで立ち止まっている限り









手を差し伸べた女神(マリア)は 

麻酔でもなく、手錠でもまして呪文をくれるわけでもなく





ただ そっと 微笑んだ...














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あとがき

 今ある現実から目をすむけたくて、でも逃げないように。

手錠をかけて 麻酔をかけて 呪文を待っている。

私にしてはなんだかいつもと違う雰囲気になったと思うのですが。

そうでもないですか?(笑

この作中の女神、は多分友人かそこいらでしょう。



手を差し伸べた女神歯 微笑むだけ  それで私は何かを見つけた気がした



whiteっぽいblackを目指しました。