「近いほど遠い貴方」


 寂しいの?

   聞きたくなった理由を、
 貴方に言えば、きっと笑われるね。

 だってね、
 一人でいる貴方が、どことなく私に似てたから。
 ポツンと一人でいる貴方が。
 広い広い教室で、貴方だけが浮き上がってるように思えて。
 もちろん、貴方には友達はいる。
 話したり、ふざけあったり。
 その人たちといる貴方はすごく楽しそう。
 この上なくそう思えるよ。
 でも、
 ねぇ、どうして時折見せる表情は、
 そんなにも悲しげなの?
 寂しいの?
 私もね、ぽっかり穴が開く感じわかるよ。
 もしかしたら私の思い違いかもしれないけど、
 もし、そうならいいんだけど、

 ねぇ、
 寂しい?

 貴方とは、近いけど遠いんだよ。
 きっと貴方は私を好きなんだと思う。
 でも、私はもっと醜いから。
 私は貴方を愛してるから。
 かみ合ってない私たちは、遠すぎる。

 でも、
 かみ合ってない私たちは、どこか似てるのかもしれない。
 貴方が時折見せる表情は、
 鏡の中の私のようで。
 顔はちっとも似てないけど、
 不器用な笑みはひどく似てる気がする。
 だから私たちは、すごく近い。

 本当は寂しい・・・・。

 時間が許すまで
 私は貴方の隣にいるから。
 誰かが二人の横に来ようとしても、
 私は離れないから。
 だって、貴方も嫌がらないから。
 私を拒絶しないから。
 だから、貴方の隣にいるよ。
 体は隣でも、心は隣にいれないから、
 やっぱり近くて遠いけど。
 隣にいるよ。
 貴方が綺麗に笑えるまで。
 貴方が寂しくないように。
 私が寂しくないように。


              END


                 とっても恥ずかしいのはわたしだけでしょうか・・・。

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